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運んでくれるもの [キモチ]


一昨日、一年半ぶりにある友だちに会った。
五つ年下の、努力家で賢くかわいい人。
グラフィックデザインを学んでいた彼女は、独特の美意識を持っていて、時々はっとさせられる。
その友だちに会うと、なぜかいつもなつかしい気持ちが蘇る。

数日前、「どうしても連れて行きたい場所がある」と。
待ち合わせは神楽坂。

連れて行きたい場所の一つ目は喫茶店。
仕切りはないが、小さな部屋がたくさんあるようなつくり。
表情がちがう部屋。
机の上にひとつずつ置かれた、存在感ある骨董品のせいかもしれない。
黒い艶やかなミシン(の上部)、大きなざらざらした丸い石(実際砂糖壺として使用)、
壁には、建築用の小道具が面白い角度で絵と並んでかけられていたり。
不思議な空間は、日本的で素朴でどこか馴染みがあるような気がして、
時間を忘れてしまうような場所だった。

二つ目の素敵なお花屋さんは、残念ながらお休み。
ガラガラと開ける入り口のガラスの扉にはりついてふたりで中を覗いてみる。
茶花、山野草、草盆栽、枝ものがずらり。
鮮やかなだけではない淡い、深い緑の落ち着いた場所。
鉢植えひとつ取っても、大切に手入れされ、自立してそこに在るように見える。
間合いの持つ風通しのよさ、その佇まいを、意識して受け継いでいるような印象は、
経営者が男性ふたりと聞いて、なぜかすんなり納得した。
打ち水の匂い、漂う生あたたかい空気が、祖父母の懐かしい庭を思い出させた。

初夏の記念にと、
坂の途中にあるちいさな和蝋燭のお店で、ガーゼタオルを買った。
気に入った二本を手にとって見ていると
「今日の記念にしようねぇ」私の選んだ二本と同じものを手にして、笑って言った。

帰り道、
「そうそう。これ、友だちの名刺。あげる。」
イラストレーターだというその友だちに面識はないが、よく話に出てくる女性。

友だちを通して手にした一枚の名刺。
限りなくシンプル。鉛筆で描かれたちいさなひとつのイラストから伝わるぬくもり。
見てすぐにはわからないが、微妙な形と大きさと色は、ありそうでないもの。
あぁ、すごい人なんだ、とわかる。

ジャズピアニストの旦那さんを持つ名刺の友だちに会いに、
今度は一緒にコンサートに行こうと、友だちは笑って帰って行った。

いつものように、とびきりのなつかしさを残して。


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コメント 4

fumilin

素敵なお友達ですね・・・ほんと大切だとおもいます。
by fumilin (2005-07-14 13:31) 

NO NAME

☆fumilinさんへ☆
はじめまして。
遊びに来てくださってありがとうございます。
そして、お誕生日おめでとうございます!
新しい一日のはじまり。幸せで満たされますように。
by NO NAME (2005-07-14 13:47) 

hinata

+++
月うさぎさん、「なつかしい」って、私もとっても大切な感情だと思います!
下手な知恵がつくと、理屈で損得を考えちゃったりしてしまうけど、
直感を研ぎ澄まして、自分でそれを信じられたりしたら、いいな、って。
「なつかしい」って直感で感じたら、そこには何か大切なものが・・・。

ひと、場所、もの・・・。
月うさぎさんのエントリーを読んで、
なつかしく感じるものと出会える心でいたいなぁ、と。
by hinata (2005-07-14 20:40) 

月うさぎ

☆hinataさんへ☆
最近になって「なつかしい」「せつない」というような感情が心に留まります。
そうなんです!直感って、大切ですよねぇ
それこそ、野生の勘を信じてみたい。
大切なものにいつまでも鼻がきくといいなぁ
hinataさんの文章を読んで、いつも鼻がきいてるなぁ~と思うわたしです(笑)
by 月うさぎ (2005-07-15 12:24) 

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